移住家族の声vol.70「二宮町で見つけた、今の自分にちょうどいい暮らし」
移住家族の声vol.70「二宮町で見つけた、今の自分にちょうどいい暮らし」
北鎌倉から二宮へ——変化のきっかけ
「ここじゃないかもしれない」と感じることが増えたのは、コロナが明けて北鎌倉が観光客で溢れ返るようになってからでした。
それまでは、4年間過ごした山の上のシェアハウスでの静かな暮らしに満足していたはずでしたが、自然に囲まれた落ち着いた日々が、観光地としてのにぎわいに押されて、そして仕事も含めてあまりに忙しく、気がつけば呼吸が浅くなっている自分に気づきました。
そんなときに聞いたのが、5年前に習志野のシェアハウスで一緒に暮らしていた友人のEさんが、二宮町で『二宮のおうち』というシェアハウスを始めるという話でした。
「二宮町にはチェーン店ではなく、八百屋さんやお肉屋さんみたいな昔ながらの◯◯屋さんが残っているのがいいんだよね」
Eさんがそう話してくれたとき、「あ、それ、わかる」と思いました。
「え、二宮？住んでみようかな！」
その瞬間、直感で妻と移住を決めました。
二宮町の空気に触れて感じたこと
そんな軽い気持ちで足を運んだ二宮町で、思いがけず、自分の中に眠っていた感覚が呼び起こされました。
吾妻山の頂上から見下ろす海と山の景色。風が通り抜けるたびに、少しずつ身体の緊張がほどけていくのがわかりました。
この町には、無理がありません。人の距離感も、自然との付き合い方も、時間の流れも。
街を歩いていると、知らない人同士が自然に言葉を交わしている光景に出くわすことがあります。そのゆるやかな空気感がなんだか心地よくて、肩の力が抜けていくのを感じました。これまで住んでいた町でも地域のつながりは感じていましたが、二宮はそれがもっとフラットで、ゆるやかで、気張らなくていい感じでした。
なかでも「ごはんやOkan」はお気に入りの場所で、そこに行けば初対面の人とでも自然に話が弾みます。その感じが、まさに二宮町らしくて、とても気に入っているんです。
暮らしのリズムが変わった
二宮町に越してきてからの生活は、劇的なことが起きたわけではありません。でも、ひとつひとつの時間の質が明らかに変わりました。
無駄に感じていた定例のオンラインミーティングの数も減って、気がつけばランチは妻と吾妻山でお弁当を食べたり、一緒に海まで散歩に出かけたりする時間が自然と増えています。
毎日の日課となっている散歩では、その日の気分に合わせて、吾妻山に登ったり、海沿いを歩いたり、商店街をふらっと巡ったりしています。決まったルートはありませんが、どこに行っても自然と自分が整っていく感覚があり、心地よく感じています。
いま、ここにいる意味
人生のステージによって、自分がいるべき場所は自然と変わっていくものだと思います。
細江町、引佐町、アメリカ、名古屋、シンガポール、新潟、習志野、北鎌倉——これまでいくつもの場所で暮らしてきました。どの町や国にも、そのときどきの自分に必要な時間や出会いがあり、無駄だった場所なんてひとつもありませんでした。
2030年に向けて、世界の構造や価値観が大きく変わっていく中で、「今」どこにいるかは、これまで以上に大切になってくると感じています。そんなタイミングで、自然と暮らしが共存していて、地域の人と人との関係がほどよく緩やかで、自分のペースを取り戻せる二宮町は、まさに“今”の私にとって、ここに身を置くべき場所だと確信しています。
『ゆたかな人生ラジオ』、はじめました
二宮町に移住してから、『ゆたかな人生ラジオ』という音声配信番組を新たに始めました。
移住のこと、働き方のこと、暮らしのこと、そして“ゆたかさ”について。私自身の経験や、いろんな人との対話を通して、誰かが少しでも心軽く、自分らしくいられるヒントになればと思っています。
自分の声に正直に生きてみたいと思っているあなたへ。
どこかでお会いできたら嬉しいな、と思いながら配信しています。ぜひ、イヤホン片手に『ゆたかな人生ラジオ』を聴いてみてください。
岡田浩弥
(2025-4-17)
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