結婚したら二宮に住もう!

vol.15「勝手に生えてる野菜の生命力」

vol.15「勝手に生えてる野菜の生命力」

 見た目以上にナイーブなワタクシは、地球規模のこの騒動に飲み込まれ、箸より重たい物は持てないほどすっかり弱り切ってしまいました。
 こんな時こそ、慌てず騒がず。晩酌で美味しいお酒をチビリとやって、心と体の緊張を解きほぐしてあげましょう!(と、高名な評論家が申しております。)箸よりは少しだけ重たいけど、収穫はさみに持ち替えて、肴の材料を畑に調達に参りましょー。

 この時期、畑に献立を相談すると大変なことになります。
 (20代のころに読んだ、水上勉著の「土を喰う日々」の中にあった、「献立(肴)は畑と相談して決める」という言葉は、長い時を経ても全く褪せることなく、いつも私の隣にいます。)
「ハイハイハーイ!」我も我もと手を挙げる野菜たちの声が響き渡り、目をそらして通り過ぎようものなら、足にすがり付いてくるありさま。
旬は短し、食せよ乙女!ここ1~2か月、京都のおばんざいバイキングレストランの女将になれそうな勢いで、台所に立ち続けます。はさみ→包丁→箸と永遠に続くサイクルは、「誰かSTOP言っとくれやす。」というくらい自分では停められません。

 畑生活も長く、野菜作りの発見や驚きが(爆発的感動の嵐の頃と比べると!)若干減ってきてることは時々感じています。それでも尚、今まさに私を畑に駆り立てるのは「勝手に生えてる野菜さんたち」の手招きの力なんですね。
 「あ、なんかこの辺にゴボウの大木あったなあ」と思っていたら、翌春その下は一面ゴボウ畑に代わっていたり。イノシシや私が散らかした芋(じゃがいもや里芋)が畑にいい具合に散らばり、思わぬところからイモが育っていたり。(わざわざ植えたものより、ごっそり採れたりするから、得した感は絶大です。)
昨年地面に落ちたミニトマト、ゴーヤ、カボチャは土の中で果肉が腐り、その中の種がどさーっとまとまって芽を出していたり。(この手はすこぶる発芽率も高いし、苗で育てたものなんかと比べ物にならないくらい、強靭です。)
 昔植えた記憶がかすかに残っているけど、いつだったか思い出せないほど当たり前にそこにいるフキ、山ウド、ミツバ、ミョーガ、ラッキョウ、ニラ等々。そうそう、ニンニクも、すこぶる元気に畑に居座っています。
 今はあまり頑張りたくないけどおいしい旬を食べたい、手間暇をかけるというマジックの面白さを楽しみたい、「え?こんなところでバッタリ!」という驚きで心をときめかせたい私に「勝手に生えてる野菜さんたち」は、たくさんの物を与えてくれています。

 最後に、弱り切った貴方に、おすすめの肴三連発です。極旬です!絶品です!
① 刻み生ノビルの塩昆布あえ(免疫力アップもそうだけど、泣けるほど美味しい!)
② ニラの蕾茎のおひたし(花ニラではありません。野菜のニラのツボミ。葉と違って茎は丸いのでツルっとしてる。だから上品!おかかとお醤油かけるだけ!)
③ ミョウガタケの味噌ディップ(谷中しょうがのミョウガばん。え?意外?シャキシャキです。)

勝手に生えた野菜の生命力は、筋金入りです。(あ、硬いわけではなくて、ハンパないって意味)。
晩酌なんかしません!とおっしゃる貴方。仕方ないので、ご飯のお供に、お茶うけに。
きっと、少し元気になります。
(2020-5-16)

画像の説明

【写真】ルバーブを枕にしたニラの花。ここまで咲く前のつぼみの時が食べ頃です。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional