移住家族の声vol.59「暮らしを創る「人」が集まる二宮町で」
移住家族の声vol.59「暮らしを創る「人」が集まる二宮町で」
二宮町に移住してきて早12年になります。
改めて振り返ると不思議な町だなぁと思います。子ども時代を過ごした生まれ育った町では、近所や学校で当たり前のように友だちができ、地域の中で確かに暮らしていました。
大人になって、いくつかの町で暮らしてきたけれど、大学や職場で友だちはできても、地域に深く知り合うような友だちっていなかったなぁと、せいぜいご近所付き合いが軽くある程度だったなぁと。
そういえば、二宮町に越してきてからもしばらくは、都内や横浜まで通勤していて、子どもは保育園、当時はそれまでの町と同様、知り合いがいる程度の生活でした。
生活がいわゆる暮らしに変化したのは6年前の春、仕事を辞めて、当時2歳と5歳だった子どもたちを連れて、子どもの遊び場に足を運んだ時からです。
冒険遊び場で、親子ともどもとても楽しんだのですが、一番印象的だったのは、遊び場のスタッフがとっても楽しそうに見えたこと。単純に、いいなぁ、素敵な光景だなぁと感じました。退職した直後だったこともあり、遊び場の雰囲気がいい感じだったこともあり、私もその中に飛び込んでみました。(実は人見知りで、斜に構えて、深く知り合わないと心を開かないタイプだった私には、第一印象で人の輪に入るなんて驚きの体験でした!)
そして、遊び場を丁寧につくっているその中の人たちは、衣食住に関心を持ち、暮らしを創ることに楽しみを見出している人たちでした。地元で育った人もいれば、同じく移住してきた人もいて、偶然のようにひとつの場に集まっていたのです。
そこでの出会いから、遊び場をつくるだけでなく、フェスをやってみたり、映画の上映会をやってみたり、興味の赴くままに沢山の活動が始まり、とうとう私は地域の仲間で「あそびの庭」という法人をつくってしまうまでになりました。気がつけば、この6年間で、子ども時代を過ごした町以上に、世代を問わず、友だちや知り合いができている、、、、、なんとも不思議です。
二宮の持つ土地の力もあるのかもしれないけれど、町で暮らす人たちの中にも、「やってみたいをやってみたらいいじゃない」という寛容な気質があり、それが二宮の風土となっているようにも感じます。
コロナ禍になって数年、二宮町が移住目的の多くの方々に注目されていると感じますが、ここで暮らす人たちの楽しさや喜び、ちいさくても、ささやかでも、足元を見つめ、生きることを楽しむ人たちのしあわせのパワーが静かに広がっているように思えてなりません。
私が思わず飛び込んでしまったように、楽しさや喜びの輪は人を惹きつけるのでしょう、この町で楽しく優しい活動がどんどん始まっているように見えるのも偶然ではなく必然の流れなのだろうととてもとても感じます。
渡辺優子
(2022-3-18)