結婚したら二宮に住もう!

にのみや どろんこLife

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蔵門の「にのみや どろんこLife2」

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「農ある暮らし」をライフワークにされている蔵門さんに、2016年4月からコラムをお願いしています。
毎回興味深いテーマで、バックナンバーもすべてお読みいただけるように編集しています。



vol.24「ハカラメのススメ」

 このタイトルが浮かんだのは、去年の暮れあたりでしょうか?「うん、うん、これ良いわ~。さくさくっと書いちゃお~。」そう口走ってから早半年。
 1~2時間集中して思いの丈を吐き出してしまえば楽になるのに。これが、どうしてもできない。
 予約なしに飛び込んだ歯科医院の受付で「お待ちになりますが、宜しいでしょうか?」と言われた経験、おありでしょうか?後からきた予約患者さんが次から次へと呼ばれて治療を済ませて帰っていく姿を横目に見ながら、ひたすら自分の順番を待つ状況。頭ではわかっているのだけれど、心がイジケテいく。そんな状態を自分の中にあるハカラメネタに強いて参りました。
 ハカラメに取り掛かる。別の急用がやってきてそれを片付ける。ハカラメに向かう。また別の・・。これを繰り返しているうちに、ツルに巻き付かれて死にそうになっている木々のように胸が苦しくなってきました。この地獄から解放されたい一心で、今日はもう腹をくくります。

 ハカラメという植物をご存じでしょうか?葉っぱから芽を出して子孫を増やしていくからハカラメ。別名マザーリーフ、セイロンベンケイソウと言うそうです。強靭で繁殖力が強い植物なので、気軽にオススメして良いものかは迷うところですが、自生しない(できない)地域の方々限定でオススメいたします。
 今回は、正しくいうと「ハカラメの花のススメ」ですね。何を隠そう、花が面白い!
蕾らしきものから、花が咲いて、種らしきものができるまで、まったく予想もしない変化を繰り返していくんですね。情報びたしの我々は、沢山の知識と引き換えに、発見や驚きを失くしてしまっているから、日々刻々と想定外の変態を続けるこの植物に、沢山の刺激をもらいました。鈴なりに首を垂れる花を見ながら、こちらこそ頭の下がる思いです。咲き始めてから6か月以上経つ今現在も、半分ドライフラワー化しながら楽しませ続けてくれています。
 仕事柄植物と関わることの多い私が「おお~、こうくるかぁ~!」と驚嘆する花。本当は花の写真を添えるのも、ネタバレ映画のようで気が重いのですが、ちらっとだけお見せしておきますね。花を咲かせるためには鉢で育てて、冬季は室内管理となります。これ以上はあまり下調べなどせず、期待も捨てて、失敗を楽しみながら、発見や驚きを楽しんでいただけたら本望です。

 ほぼほぼ書きなぐり終えて、一息つくと、あら不思議、頭が軽くなり心がすっきりしてまいりました。
 今回のどろんこライフは「頭の中に浮かんだことは、きちんと生み育ててあげることが大事!」というお話でした。「ハカラメの花のススメ」はオマケとして書かせていただきましたー。
 (2022-6-9)

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ハカラメの花


vol.23「ニンジン」

 小さな箱にちょこんと座って、タンタンタンと坂道を昇っていきます。昇るにつれ、単調なそのリズムが体じゅうに伝わってきて、胸の高鳴りなのか、機械の音なのか、どちらがどっちだか分からなくなった頃、一瞬だけ箱が止まります。
 長かった冬が終わり春への一歩を踏み出す瞬間。
3月になると、木の芽が吹き出し、競うように花が咲き、野山はあたかも千手観音のようにあちこちから私を手招きします。畑の土は「そら蒔け、ほら蒔け、種を蒔け」と歌いだす始末。
 ここから先はジェットコースターで下るように、忙しい毎日が過ぎていきます。と、毎年言っていたのですが、今ふと気が付きました。レールのあるジェットコースターではなくて、諏訪大社祭礼の御柱にまたがって坂を落とされていく方が、グンと近いイメージかもしれません。操縦のすべなし、で一年が怒涛のように過ぎていくのです。

 冬の間に書こうと思って、途中で挫折したネタや、書きたい想いがあふれて手に余るネタ。いつか機が熟すのを待つとして、とりあえず、旬のあるこのネタを書いておこうと思います。

この冬、「いや~、うちのニンジン、めっちゃうまっ!めっちゃあまっ!」の年でした。ニンジンスティック(生)で食べて、思わず唸るほど。玄関を走り出て、道行く人に「うまいっすよ~、これ~。」と声をかけまくりたい衝動をやっとのことで抑え込みました。
おいしくできたのはなぜでしょう?有機農法で土壌がうんぬん・・。とは申しません。ほったらかしなので、「愛情が決めて」なんて言ったら、何処からか石が飛んでくるからやめておきます。思い当たることといえば「イノシシの襲撃を受けて、難を逃れて、生き延びた奴らだから~(チコちゃん風)」です。

イノシシに泣かされながらも、彼らの行動を観察していると、結構いろんなことがわかってきます。
彼らの畑での(我々にとっての)悪行はイモ類の完食だけにとどまりません。出そろった芽や植えたばかりの苗をほじくり返す習性があるのだけれど、とりわけニンジンが好きなようで、葉が10cmくらいに育つのを待って必ず襲ってきます。例年、号泣です。それもニンジンを食べるわけではなく、ニンジンが育っている土に集まる虫が好きなのか、鼻でひとしきり掘り起こして去っていくのですね。彼らが去った後には、朝鮮人参を彷彿させるシナシナのオレンジの物体多数。どうせならきれいに食べて、ご馳走様の一言でも言ってくれれば・・。
というわけで、この数年、まともにニンジンが収穫できずにいたのですが、なんと今年はどうしたものか全滅は免れました。各所で島状に残った、恐怖に震えるニンジンたちに「怖かったねー、つらかったねー。」と声掛けしてあげました。そして待つこと1か月。
ニンジンたちの涙がその身を甘くし、恐怖に打ち勝った自信がうまみに代わっていく。そんな想像をめぐらしながらニンジンステッィクをぼりぼりと食べています。

 同じ地球上で、今まさに戦争に巻き込まれている人たち。コロナ禍で笑顔を失っている人たち。
 今の悲しみ苦しみの先に、こんなニンジン話のようなくだらない話で笑いあえる日が、どうか来ますように。
大好きな武者小路実篤の詩を思い出しました。
我人々と同じく/風雨にさらされ/人々と同じく/雪霜になやまさるれども/我は天与の食物をとりて/その内より甘露を集めて/わが実をつくりたるなり。(『柿の賦』の一部)
(2022-3-2)

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甘露を集めたニンジン


vol.22「哀愁のカネタタキ」

 『♪バッター、バタバタ、バッターそーれ、ホームラン!いけいけバッター、ゴーゴーバッター!』
おそろいのユニフォームに身を包んだ少女たちが、一列に並んで仲間に声援を送ります。
 あ、すみません。ワタクシの中学生時代の話です。ソフトボールをやっておりました。
 ショートヘアで野球帽を被って歩いていると「ちょっと、そこの男子~。」と呼び止められることもしばしば。振り返ってしまう私もいけないのですが、思春期の少女の心はえらく傷ついておりました。そのせいもあるのでしょうね。中学をでてから、つい最近までのほとんどの年月、セミロングヘアを貫いて生きてまいりました。
 「いや~、私、さばさばした性格よ。」などと人には話しておりますが、実のところ「スーパーねちねち系」だったり、するんですね。長く、潜在的に引きずります。根に持つとも言います。ご注意ください。ちなみに最近も、植木屋のかっこでホームセンターのトイレに入ると、私を見た、先行者のオバサマが「え、あ、ここ女子トイレよね!?」という顔で動揺されておりました。
う~ん、やはり、花柄の作業着でも着てみましょうか?

 何度も何度も「ネタ切れですから、限界です。」と言っておきながら、心のどこかで叫んでいるのですね。「ううむ、この程度で、引き出しの数が尽きるとあっては、クラモンの名折れ。何としてでも、絞り出してやる~。」ささやかな執念です。
 で、なんだよ。中学生時代の話なんか持ち出して、昔話~?そう言うなかれ。まあまあ、もうちょっとお付き合いください。

 先日、TVで初代仮面ライダーが再放送しているのに、ばったり出くわしてしまいました。そう、今の若い人達がイメージする仮面ライダーをよく知らないのですが、初代は確かに、バッタがモチーフでした。作品にはバッタとかクモとか、昆虫がフツーに登場してたのね。あの昆虫と人間がごちゃまぜになった世界を何ら違和感なく受け止めていたことに、ある種の感動を覚えます。
 それくらい人と昆虫の距離が近かった。人間も自然の一部だった。そんな風に思えるのです。

 ねばりにねバッタ夏から一転、晩秋に崖から突き落とされた感のある今日この頃。
 カネタタキが泣き続けています。(あの音調が鳴くというよりも泣くの方がしっくりくるので、あえてそう書きます。)このバッタの仲間の小さな虫の音が昔から好きで、よく人に話すのですが、ご存じない方も多く、いつもちょっとがっかりします。カネタタキの「チっ」という舌打ちが聞こえるようです。
大変、人なつっこいのか、よく家の中に上がり込んで泣いているので、温かく見守っているのですが、あまりに小さい虫ですから、間違って踏まれてしまったのでしょう。ぺしゃんこになった姿で、ときどき発見されます。犯人は誰か?で家族でもめます。
 そんな哀愁のカネタタキのチ・チ・チ・チという声に、行く秋を惜しみながら、今日も無事に原稿を書きつなげることができました。ネタをくれたバッタに、愛をこめて。
(2021-10-19)

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名残のコスモス


vol.21「うりっす!」

 最近、毎回思うんです。このネタ、もうすでに書いてるんじゃないかって。だいたい、私の考えることなんてパターン決まっておりますし、今、「おっ」と思ったことを、3年前に「おっ」と思わないはずがない。ということで、珍しく、ちら~っと同じ季節の古いコラムを流し見してみたんですけどね。うん、やはり。近いとこついてるのあるある。Vol.9「野菜の癒し成分」なんて超近い。で、なんてことはない我ながらいいこと言ってるなあと自画自賛して終わりました。かまわず、書きます。

 雨に閉じ込められた休日、好きなんです。頭はどうにか覚醒している程度で、ぬぼ~っと台所に立っている時間が好き。
 とりたて、「料理が好き」というワケでも、「体に良いものを取りたい」なんて強い想いが先立ってるワケでもないんだけどね。ただ台所に転がる畑の野菜たちの声に憑き(!)動かされているのかもしれません。「もし、そこのあなた。煮るなり焼くなりして、さっさと成仏させておくれでないかい。」忙しい平日には聞こえないフリをしてきた声が大合唱で聞こえてきます。

 ほぼ思考は停止しつつも体は勝手に動くから、人間型野菜切りマシーンは目に入った野菜を片っ端から正確に刻み、思いついた順に、とりあえず人間が食べられる程度の料理に変えていきます。
 ついさっきまで、このマシーンの手にかかった野菜の一例をご紹介いたしましょう。
かぼちゃ、トウガン、ハヤトウリ、ゴーヤ、、、。な、なんとこれは、自分でハタと気が付いて、包丁を持つ手が震えました。こ、これは、瓜オンパレード・・・・。南瓜、冬瓜、隼人瓜、苦瓜、(胡瓜の欠品悔やまれます!)。うちの畑、ウリしかとれんのか~!確かにイノシシ被害が少なく手がかからない野菜といえばウリのほかに思い浮かばず、ウリに走るのも無理はありません。

 そういえば最近私、性格が「うりうり」してきてるし、顔も「うり顔(瓜実顔をもう少し崩した顔)」、体系も「うりっ腹」。もしかしたら、うりの接種過多かもしれません。

 とか、いろいろ考えているうちに、お料理が出来上がりました~。
ウリだけではあんまりと、頑張ってくれている他の野菜や保存野菜たちが色を添えます。冬瓜と鶏肉のスープ。かぼちゃとインゲンの煮物、ハヤトウリの一夜漬け(ゴーヤ、ミョウガあえ)、ゴーヤと赤玉ねぎの酢漬け。日本語で並べるとそれなりに聞こえるのが不思議です。
 ふふふ、これで2日間は、楽できるもんね~。
いやあ、充実の朝のひと時でした。おまけに、やめよう、やめようと思い続けている(Tさん、ごめんなさい!)ネタ切れコラムのネタも、硬い野菜を切った振動による脳への刺激で、浮かんじゃったもんね~。それもこれも、野菜のおかげ。さあって、ゴロゴロしましょーか。
(2021-9-20)

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ハヤトウリの赤ちゃん

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vol.20「干し野菜」

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vol.19「夜咄の茶事」

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私のような奴もいる

vol.18「蚊取り線香」

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(Photo by m.o)

vol.17「枯れる」

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vol.16「いわくつき野菜のすすめ」

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vol.15「勝手に生えてる野菜の生命力」

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vol.14「嵐の前の、春の日に」

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vol.13「風邪っぴき」

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vol.12「恩返し」

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vol.11「実験!自然農法」

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vol.10「三月のホタル」

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vol.9「休眠期」

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vol.8「ひっかかっているもの」

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vol.7「どろんこLifeの始まり」

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vol.6「イノシシ」

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vol.5「きゅうり」

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vol.4「わかりやすい顔」

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vol.3「畑に向かう理由」

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vol.2「“こぶし”とり」

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vol.1「再びペンをとる」

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vol.15「さくら暦」

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vol.14 「味噌の仕込み」

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vol.13「佐島のわかめ」

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番外編「パッションフルーツ その後」

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vol.12 「ウコンのほりあげ」

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vol.11 「パッションフルーツ」

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vol.10 「田園の食卓」

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vol.9 「野菜の癒し成分」

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vol.8 「三大輪切王の季節」

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vol.7「とうもろこし競争」

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vol.6 「パンダなひとたち」

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vol.5 「ジャガイモ収穫いとたのし」

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vol.4 「ピヨピヨ」

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vol.3 「玉ねぎの季節」

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vol.2 「畑人(はたけびと)、走る!」

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vol.1 「タケノコ!ごろりん」

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