結婚したら二宮に住もう!

にのみや どろんこLife

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蔵門の「にのみや どろんこLife2」

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「農ある暮らし」をライフワークにされている蔵門さんに、2016年4月から1年間にわたってコラムをお願いしてきました。
その後しばらくお休みされていたのですが、1年ぶりに再開していただくことになりました。蔵門さん、ありがとうございます!!
楽しみにしていたみなさん、お待たせしました~。(2018年3月)

vol.17「”枯れる"」

 サトイモの葉っぱがね。何日も続く酷暑と雨不足のせいで、あちこちの畑で枯れてきました。周りが茶色に変わって、ガサガサと悲しい音を立てながら風に揺れています。
 鏡に自分の顔を映すとね。元々、あんまりなかった眼力(メジカラ)が、完全に消失し、肌もタル~んと揺れています。こちらは恐らく、暑さとコロナ禍で心の潤いを失っているせい。鏡の向こうで誰かが言います。「お前はもう、枯れている・・・。」いや~、参りました。
 山の木がね。ものすごい勢いで枯れています。軽トラで走り回る数キロ圏内を見回しても、我が家の窓から見える吾妻山の山肌でも、ナラ枯れ病が急速に進んでいるようです。

 久しぶりにどろんこLifeの原稿に向かいます。こんな酷暑こそ、背筋も凍るおどろおどろしいネタに乗せ、少しでも涼風をお届けできれば良かったのですが、いかんせんこちらも壊れています。「どよ~ん」の連鎖を招く「枯れる」三連発の書き出しとあいなりました。

 ところで、昨年のこの場で書いたカブトムシネタ、覚えてますでしょうか?
「今年はもう飼わない」と言っていたのに、懲りずに一匹だけお世話をいたしました。冬、やはりまた畑の堆肥に突き刺したスコップで掘り出してしまった幼虫が、それはもうものすごく大きかったわけでして。「これはきっとヘラクレスオオカブトに違いない。やったあ、自慢できるぞ~!」ルンルン鼻歌交じりに持ち帰りました。コロナ禍の自粛期間もこの飼育箱で気を紛らわせ、気が付くと半年以上の月日を一つ屋根の下で、共に暮らしてまいりました。
 もしかしたら、羽化を忘れ、土中でミイラ化してるんじゃあるまいかと、案じはじめた7月下旬、当初の期待を大きく裏切り、小型のオスが漸く顔を出しました。そしておまけに、すぐにひっくり返る。自分では起きあがれない弱っちカブトムシでありました。とにかく、山に送り届けるまではと、昨年の残りの昆虫ゼリーをちゃんこ状態で与え続け、体力をつけさせる日々。
 そんなこんなで、無事、8月のあたまに畑の栗の木に乗せてやるという別れの儀式を行いました。案じた通り、その“弱っち”は後ずさりして樹上から降りようとする始末。こんなんで、あとひと月の余生を森で過ごせるのかと心配して見守ること数分。ちゃんと入るのですね。野生のスイッチ。人(虫)が変わったかのように、グングン幹を鷲づかみして天を目指して登り始めるではありませんか。その背中には限られた命を生きる強さがみなぎっていました。その姿を見ながら、面倒くさいけど、飼ってよかった。「感動を残していきやがったぜっ!」

 やがて、栗の木のてっぺんに達し、初めてその羽を広げ森へ帰っていきました。めでたしめでたし。としたいところなんですが・・。ちょっと、まてよ。カブトムシのご飯はクヌギ、コナラ、ミズナラの樹液ではありませんか。で、冒頭のナラ枯れ病の被害はまさに、このナラ属の木なんだよね。
てーことは、これからカブトムシも生きられなくなる。
 ちょっとアトダシですが、夏休みの宿題です。ナラ枯れ病について、ちょっと考えてみませんか?犯人は、キクイムシです!なんていう単純なわけはなくって、もっとかなり複雑。で、できることなら、山で木が枯れている景色を見て、その不自然さ異様さに気づいてほしい。情報過多のせいか感度が落ち気味の「ん?何か変だぞ?」センサー。みんなで持ち続けたいなあと思います。
憂うことが山のようにある今日この頃ですが、いつも力をもらう自然が壊れたら、いつかは自分も枯死してしまう。どろんこLifeが一日でも長く続けられますように。
(2020-8-21)

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vol.16「いわくつき野菜のすすめ」

 ♪うらみま~す。うらみま~す。
中島みゆきの昔の歌に、こんなのがあります。知らないだろうなあ~。
この、おどろおどろしいフレーズが今年も蔵門の畑から聞こえてきました。

前回、こぼれだねミニトマトの話も、ちらりとしましたが、今回はその派生ネタ。今年もお約束通り、去年育っていた場所に種がこぼれて(正確には、こぼれた実が放置されて)、初夏のある日、一斉に地面から芽を出しました。
 高さ15cm程度の幼トマトの葉は柔らかく、「あら素敵。一面トマトの草原ですわ。」ティーカップを口元に運びながらしばらく眺めておりました。が、そんなことをしてても埒が明かないので、間引きをすべく、カップをお腹のポケットにしまいました。(重い腰を上げたという意味ね。)
 適当な検討をつけて目が合った株に手を伸ばすと、錯覚かもしれませんが右に左に、ちょっとだけ身をかわします。「ああ~。」負けそうになる気持ちを奮い立たせて、株元を掴んで、エイっと引っこ抜くとね、聞こえてくるんですよ、この歌が。それもですね。100本を10本くらいに選抜する過程で♪うらみま~す。は輪唱状態でヒートアップを続け、私を苦しめ続けます。
 今年は、そんな苦しみから少しでも逃れたい一心で、ご近所の二宮農園の押しに弱い方々(あ、違った、心優しい方々)に、その間引きミニトマトを苗としてもらっていただきました。おかげで、その晩は心静かに眠ることができました。

 畑の楽しみ方にも、いろいろあって、“いわくつきの野菜”というのも私にとっては大きな楽しみの一つなんですよね。(注:以下“いわくつき”という言葉に悪意はなく、前歴(エピソード)と受け止めていただけると助かります。)
 15年くらい前になりますでしょうか。借りたばかりで、まだ畑に隙間があった私に、近くの畑のおじさん(ちなみに、今は、おじいさん!)がくれたのが、くだんのミニトマト苗。そのおじさんが語った、そのルーツである種の入手エピソードもかなり複雑なもので、その時点から語ると、もうめちゃくちゃ“いわくつき”の代物となりますね。(いつか、そのエピソードを私がボケて忘れてしまう前に、どこかで語っておかなきゃなあ。と真剣に考えています。)

 大抵、ナス科の野菜は連作障害がでるので、同じ畑では育たないというのが常識だけど、15年という長い間一度も種取りすらせずに、そのトマトが私の畑で居座り続けるのには首をかしげるばかりです。彼らの野性を少しでも奪わないためにも、できる限り放任主義(支柱に括り付けたり、芽かきしたりしない)で育てています。恐らく、人間に手なずけられた野菜に成り下がってないから人間の考える常識は当てはまらないのでしょうね。生えたもん勝ちの雰囲気がプンプンしているから気に入ってくれた。たぶん、きっとそんな所でしょうか。

 今更ですが、そのいわくつきミニトマト、今流行りの薄皮極甘系の対極を行く系でして、私から押し付けられた方の中で、その実を無事みのらせた後、がっかりされる方も多いかと思います。文字にするだけですっかり食欲が落ちますが、厚皮淡泊系です。が、しかし、冬の初めまでしつこくしつこくなり続ける驚異的強さにオノノキ、どんな非常事態でもうちにはトマトだけはある!という安心感に浸っていただけたらと願う今日この頃であります。
 そしてね、いつかどこかで、生き延びたミニトマト子孫の持ち主が、このくだらない文章を思い出してくれたら、それはそれで面白がれる気がするんですよね。(面白いことは、しっかりどんどん種まきが大事ですから!)

(蛇足ですが、先日、その群落の中に、明らかに違う種類(丸くて如何にも甘そうな実)を見つけてしまい愕然としました。恐らく、遊び心で植えた苗やさん購入ものが、翌年以降、勝手に生えちゃった野菜化したのですね。二宮農園に押し付けた苗の中にその苗が混じっている可能性もあるという事実。後で突っ込まれたときに備えて、さり気なくここにしたためておきます。)

最後に、蔵門の“いわくつき野菜”の中に、このサイト管理署Tさんからいただいた野菜もあります。沖縄帰りの島らっきょ。うちの畑で、大量(見かけた方が驚き、「どんだけ食うんかい」と申されておりました。)の普通のらっきょに押されながらも、細々と生き延びております。その島らっきょを、晩酌のお供でいただく時0.1秒くらい、その種を分けてくださったTさんの顔が浮かび、手渡された瞬間が映像としてフラッシュバックします。そして0.2秒後には、気持ちをビールに戻して、おもいっきり「シャクッ!」というお音を響かせながら、いただいちゃいます。
なんていうか、エピソードがあるものに囲まれるそれだけで、食事が楽しくなる。人生が豊かになる。
今回のネタ“いわくつき野菜のすすめ”、いっちょ上がりました~。
(2020-6-30)

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《写真》厚皮淡泊系ミニトマトwith ブルーベリー

vol.15「勝手に生えてる野菜の生命力」

 見た目以上にナイーブなワタクシは、地球規模のこの騒動に飲み込まれ、箸より重たい物は持てないほどすっかり弱り切ってしまいました。
 こんな時こそ、慌てず騒がず。晩酌で美味しいお酒をチビリとやって、心と体の緊張を解きほぐしてあげましょう!(と、高名な評論家が申しております。)箸よりは少しだけ重たいけど、収穫はさみに持ち替えて、肴の材料を畑に調達に参りましょー。

 この時期、畑に献立を相談すると大変なことになります。
 (20代のころに読んだ、水上勉著の「土を喰う日々」の中にあった、「献立(肴)は畑と相談して決める」という言葉は、長い時を経ても全く褪せることなく、いつも私の隣にいます。)
「ハイハイハーイ!」我も我もと手を挙げる野菜たちの声が響き渡り、目をそらして通り過ぎようものなら、足にすがり付いてくるありさま。
旬は短し、食せよ乙女!ここ1~2か月、京都のおばんざいバイキングレストランの女将になれそうな勢いで、台所に立ち続けます。はさみ→包丁→箸と永遠に続くサイクルは、「誰かSTOP言っとくれやす。」というくらい自分では停められません。

 畑生活も長く、野菜作りの発見や驚きが(爆発的感動の嵐の頃と比べると!)若干減ってきてることは時々感じています。それでも尚、今まさに私を畑に駆り立てるのは「勝手に生えてる野菜さんたち」の手招きの力なんですね。
 「あ、なんかこの辺にゴボウの大木あったなあ」と思っていたら、翌春その下は一面ゴボウ畑に代わっていたり。イノシシや私が散らかした芋(じゃがいもや里芋)が畑にいい具合に散らばり、思わぬところからイモが育っていたり。(わざわざ植えたものより、ごっそり採れたりするから、得した感は絶大です。)
昨年地面に落ちたミニトマト、ゴーヤ、カボチャは土の中で果肉が腐り、その中の種がどさーっとまとまって芽を出していたり。(この手はすこぶる発芽率も高いし、苗で育てたものなんかと比べ物にならないくらい、強靭です。)
 昔植えた記憶がかすかに残っているけど、いつだったか思い出せないほど当たり前にそこにいるフキ、山ウド、ミツバ、ミョーガ、ラッキョウ、ニラ等々。そうそう、ニンニクも、すこぶる元気に畑に居座っています。
 今はあまり頑張りたくないけどおいしい旬を食べたい、手間暇をかけるというマジックの面白さを楽しみたい、「え?こんなところでバッタリ!」という驚きで心をときめかせたい私に「勝手に生えてる野菜さんたち」は、たくさんの物を与えてくれています。

 最後に、弱り切った貴方に、おすすめの肴三連発です。極旬です!絶品です!
① 刻み生ノビルの塩昆布あえ(免疫力アップもそうだけど、泣けるほど美味しい!)
② ニラの蕾茎のおひたし(花ニラではありません。野菜のニラのツボミ。葉と違って茎は丸いのでツルっとしてる。だから上品!おかかとお醤油かけるだけ!)
③ ミョウガタケの味噌ディップ(谷中しょうがのミョウガばん。え?意外?シャキシャキです。)

勝手に生えた野菜の生命力は、筋金入りです。(あ、硬いわけではなくて、ハンパないって意味)。
晩酌なんかしません!とおっしゃる貴方。仕方ないので、ご飯のお供に、お茶うけに。
きっと、少し元気になります。
(2020-5-16)

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【写真】ルバーブを枕にしたニラの花。ここまで咲く前のつぼみの時が食べ頃です。


バックナンバーはこちらからお読みいただけます

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vol.14「嵐の前の、春の日に」

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vol.13「風邪っぴき」

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vol.12「恩返し」

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vol.11「実験!自然農法」

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vol.10「三月のホタル」

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vol.9「休眠期」

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vol.8「ひっかかっているもの」

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vol.7「どろんこLifeの始まり」

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vol.6「イノシシ」

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vol.5「きゅうり」

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vol.4「わかりやすい顔」

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vol.3「畑に向かう理由」

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vol.2「“こぶし”とり」

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vol.1「再びペンをとる」

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vol.15「さくら暦」

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vol.14 「味噌の仕込み」

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vol.13「佐島のわかめ」

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番外編「パッションフルーツ その後」

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vol.12 「ウコンのほりあげ」

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vol.11 「パッションフルーツ」

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vol.10 「田園の食卓」

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vol.9 「野菜の癒し成分」

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vol.8 「三大輪切王の季節」

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vol.7「とうもろこし競争」

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vol.6 「パンダなひとたち」

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vol.5 「ジャガイモ収穫いとたのし」

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vol.4 「ピヨピヨ」

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vol.3 「玉ねぎの季節」

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vol.2 「畑人(はたけびと)、走る!」

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vol.1 「タケノコ!ごろりん」

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