結婚したら二宮に住もう!

vol.13「佐島のわかめ」

vol.13「佐島のわかめ」

新物の生ワカメを茹でるときの、磯の香。その香りを胸いっぱいに吸い込みながら、亡き里山くらしの師匠を思い出しています。この時期の短い期間しか出回らない佐島のワカメ。2月頭、季節の便りが舞い込むように、必ず師匠から電話がかかってきていました。「今から、買いに行ってくるけど、いくついる?」ボコボコにへこんだ軽自動車の助手席に奥さんを乗っけて、二宮から三浦半島まで、ワカメ一心で車を走らせること1時間半。それもシーズンに数回足を運びます。

茹でた瞬間に変わるエメラルド色。絹のような手触り。しゃきしゃきの食感。滋味。そして香り。旬の味を五感で楽しむ、(もっと、感覚的に言っちゃうと、細胞全てが飛び跳ねて喜ぶような)醍醐味を、教わっていたのだ、と改めて感じています。
ワカメに限らず、おいしい野菜の作り方、山菜や旬の地魚、ダイダイでつくるポン酢、そして数えきれない田舎料理の数々。祖母や母でもなく、この町に越してきて偶然知り合ったおじさんが私に伝え残してくれた無形の宝物。当たり前の日々のくらしの中で、自分さえその気になれば「おいしいもの、楽しいこと、わくわくすることって、た~くさんあるんだよ!」そう、受けとりました。

知り合って、縁が続いて15年以上あったけど、もっともっと教えてもらうんだった。そう思うのは世の常、人の常。自然も含めて、失くして初めてそのありがたみに気づくのが、私たち人間の常のようです。昨年の丁度ワカメの時期に逝ってしまった師匠のことを、思いだしながら、これを書いています。
(2017-2-3)

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蔵門のこと

あっという間に、年が明けてひと月が過ぎてしまいました。1月は味噌の仕込みでも書こうかと思っていましたが、あふれる想いはワカメに軍配。農園ライフでワカメは無いか~?とも思いましたが、原点はぶれてないような気がしましたので・・・。たぶん伝わってますよね。

昨年後半2ヶ月、蔵門至上最悪のロングラン体調不良に見舞われ、心身ともにきつい時期を過ごしました。そして長いトンネルを抜け、ようやくふつふつと力がみなぎってくるこの感じ。反動が大きいせいか、吾妻山の山道を「きゃほ~!!」と叫びながら駆け上り、頂上の芝の上で「きゃっきゃっ!」と転がっている人を見かけたら私だと思ってください。ただあぶないので声はかけないでね。しかしながら、憂鬱な花粉症の季節も玄関先まで来ている様子。マスクなしでおいしい空気を胸いっぱい吸って駆け回れる時間はまさに貴重。一日、一日、噛み締めて、踏みしめて・・・、過ごしたいものですね。

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