結婚したら二宮に住もう!

vol.20「干し野菜」

vol.20「干し野菜」

 「クラモンです」
自虐ネタお笑い芸人(今は多方面で活躍してますが)の「ヒロシです」風にお願いします。
どーにも、クラモンらしくない日々が続きます。カラっとした、豪快な、竹を割ったような、という形容詞には程遠い性格になり果てて、早1年と半年。飛行高度で言うと、基本設定が元々非常に低いものですから、定期的に機首を持ち上げる操作を行っていないと、下降の一途です。
気の合う仲間と飲んでバカを言ったり、カラオケで思いっきり歌ったり。他人からみたら、なんだそんなこと?と言われそうですが、そんな他愛もないことが気持ちの切り替えにどれほど役に立っていたか、痛感する毎日が続きます。あ、そうそう最も危険なのは、天空の楽園(天国じゃないからね、高い山のこと)に行けてないことかな。年に数回、山で捨てていた諸々の憂いを、金魚のフンのごとく引きずって歩いています。ワタクシ、最近、性格ねちっこいです。

さて、こんまいネタ。先日、久しぶりにカップやきそばを食べた時の話。もそもそと食べているとジャリっとしたものが歯に当たって、ポーズ(一時停止)しました。気のせいかな?と思って食べ続けると、もそもそ、ジャリっ、もそもそ、ジャリっ、と続くんですね。そのジャリジャリ感が今の若者に受けていて、今やカップ焼きそばの常識的食感?とは、さすがに考え難く、そっと自分の胸に手を当てて考えてみました。
「あ、やべ。「かやく(乾燥キャベツ、乾燥紅ショウガ等)」と銘うったプチ袋、3分待って湯切りしてから入れた気がする。」(←思い出せただけ、ちょっと嬉しい。)
もとの姿に戻れなかったキャベツたちや、開発担当者の嘆きが聞こえるようです。
ハハハ、まあ、怪しいものではないことがわかったところで、そっと胸をなでおろし、完食いたしました。
ジャリジャリの振動が、うまい具合に脳みそを刺激したのでしょうか?遠い記憶が呼び覚まされて、箸を置いてお茶をすする頃には、図らずも食にまつわる記憶の糸を手繰ることにあいなりました。

私、学生の頃、山に登る集団に入っておりました。合宿と称して、しょっちゅうザックに衣食住を詰め込み山に出かけて行きました。ちょっと昔の話とは信じてもらえないことは承知の上なのですが、まだその頃は、テントはじめ全ての装備が、ハンパない重さでして、せめて食糧だけでも軽量化を!との思いから合宿前には一仕事おまけがついてたんですね。乾燥野菜作り。その頃は、アウトドアショップに食糧のコーナーはほとんどなく、自前で作るよりなかったわけです。狭い部室ではままならず、空き教室の片隅でトントンと野菜を刻み、東京のど真ん中の校舎の屋上に決して綺麗とは言い難いシートの上で野菜を干していました。(時々、新聞の上に干したものなんかもあって、後で鍋に文字が浮き上がるんですねぇ。怖いですねぇ。)
基本はジャガ、玉ねぎ、ニンジン。確かお米も研いで干した気がする。そんなこんなの干し野菜を、カレーやカレーやカレーにして山で食べていました。悲しいことにカレーの記憶が強すぎて、他のが掘り起こせないっ。そうそう、干し野菜とは関係ないのですが、真っ先に浮かぶ定番ご飯を一つご紹介。イカフライというイカの姿に似せたおつまみがあってですね。それをご飯にのせて天つゆをかけるだけ。我々は、これを「天丼!」と呼んで喜んで食べていました。いま、何を食べても大馳走に思えるのは、そういう過去の粗食のおかげなんだと確信しております。

たった、一杯の未完成のカップやきそばが、こんな思い出を呼び覚ますなんて、分らないものですね。
凄まじい勢いで原稿を書き上げました。この数か月、何度も書きかけて筆が進まずボツにしたネタたちには申し訳ありませんが、考えたものは浮かんだものには到底及ばないということ。これ真実です。
いざ、太陽をさんさんに浴びた干し野菜ネタ、白日の下に晒させていただきます。
(2021-7-18)

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