vol.9 「野菜の癒し成分」
vol.9 「野菜の癒し成分」
「よし!」台所のすみで、おもわず小さくガッツポーズ。
着地が決まった体操選手を見ている時と、さして気持ちは変わらない。
はけ切れなかった万願寺唐辛子が山ほどあったので、炒め煮にする。出来上がって、あつあつをはふはふと味見してみて満点の着地にこのポーズ。「決まった!」
洗う、切る、種を出す、油で炒める、塩、醤油、酒、みりんを適当に入れる。そして厚切りのおかかを混ぜ込み味を含ませる。唯一こだわりは、一年前から仕込んでおいた、にんにく醤油を使うこと。
ほぼこの一連の動作を無意識に行って、この旨さ!
「私って、すご~い!」
誰も褒めてくれないので自画自賛する。ああ、できることならこのまま、あつあつのご飯と一緒に、激早お昼ごはんに雪崩込みたいところだけれど、ここは、ぐっと抑えて鍋を遠ざけておく。
いつものことだが、雨に閉じ込められた日は、ひたすら野菜と格闘する。
選別、置き場の確保、保存食作り、えんえんと野菜と対峙する自分がいる。
その作業の中でも、野菜を刻んでいるときは、(もとからあまり入っていないけど・・・)頭が空っぽになる。
雑念が消える。
心が落ち着いて整っていく。
もしかしたら、野菜の癒し成分が指先や目からもカラダに取り込まれてる?そんな気もおおいにするする今日この頃。
心が疲れて弱っている人を見かけると、ふと思ってしまうんだ。
「雑念が消えること、ナニカシテル?」
(2016-9-20)
《 写真 》大玉トマト地獄は今が本番。
蔵門のこと
雨が続いて、農作業計画におおいに支障をきたしてまいりました。いま、まさに、秋野菜の仕込み最盛期。「あ~、今日、大根蒔きたかったなあ~。」そこかしこで、意のままにならぬ天気に嘆く、仲間の叫びが聞こえてきます。くらもんの畑はと言いますと、種まきの前段階の土作りで遅れに遅れ、晴天が(それも畑に行ける日)何日も続かなければリカバリーできない状況にあります。まあ、こんなお手上げ状態も、いつものこと。「もとはただの大地だ!失うものは何もないっ!なんくるないさあ~。」音楽を聴いて、コーヒー飲んで、本を読んで、、、さてっと、これを書いております。